医学生・研修医の方々へ

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脳神経内科だからできること

前・福島県立医科大学医学部 神経内科学講座・教授
宇川 義一 Yoshikazu Ugawa(うがわ・よしかず)

脳神経内科医としてやりがいや喜びを感じるのはどんな時でしょうか?
長い経過の病気と患者さんと一緒に戦っていますので、患者さんに感謝されたときに喜びを感じます。研究者としては、病気の発生機序、病気の治療に関連する新しい発見をした時です。
研修医時代の思い出を教えてください。
自治医大で研修をしましたので、色々な大学出身の同世代の医師と研修をしました。そこで、様々な考え方・これまでの経歴の方と、意見を交わしたことが一番の思い出です。同じ大学を卒業した人では思いもよらない考え方、日常の接し方がありました。
医師をめざす人へメッセージをお願いします。
医師は、やりがいのある職業と考えます。医師を目指す人は、病気をなおす、医学を極めるモチベーションで医師になってください。毎日毎日、新しい発見があります。決して豊かで楽な生活をする目的で医師にならないでください。結果的にそれを手に入れる人はいると思いますが。

順天堂大学医学部附属 順天堂医院 脳神経内科 教授
服部 信孝 Nobutaka Hattori(はっとり・のぶたか)

脳神経内科医としてやりがいや喜びを感じるのはどんな時でしょうか?
難病でも少しずつ治療の可能性が出てきており、心身ともに悩んでいる患者さんを治療できる時に喜びを感じています。決して諦めない精神を患者さんに訴えて、患者さんと一緒に歩む時こそ幸せを感じます。同時に治療できないときの無力を感じつつ、不断前進の精神でチャレンジしていきたいと思います。
研修医時代の思い出を教えてください。
研修医時代は、いつも患者さんと一緒に悩み笑い過ごしました。患者さんが大好きで、いつも治療の事を考えおりました。自宅を訪れて人工呼吸器を直したり、筋ジストロフィーの患者さんを徹夜して体外呼吸器を使ってサポートしたりといつも熱く患者さん達に向かい合っていました。
医師をめざす人へメッセージをお願いします。
医師は、いつも患者さん達側に立ち、患者さんの病気を治すのは当然のことながら、いつも患者さんの病を治す、患者さんの心を治す、そして患者さんの家族も治す精神で臨んで欲しいと思います。

前・広島大学大学院 医歯薬学総合研究科 脳神経内科学 教授
松本 昌泰 Masayasu Matsumoto(まつもと・まさやす)

脳神経内科を専門として選んだ理由を教えてください。
内科研修中に父親が脳梗塞に罹患し、本疾病を主な対象疾患の一つとしている脳神経内科を専門とすることを決意しました。
脳神経内科医としてやりがいや喜びを感じるのはどんな時でしょうか?
脳神経内科領域では脳卒中、認知症、てんかんなどの頻度の高い疾病から、パーキンソン病、脊髄小脳変性症、神経免疫疾患などの各種の難病まで大変に広い領域をカバーしており、社会的ニーズが極めて大きいです。また、多くの領域で長足の進歩が見られますが、専門とする脳卒中領域についても、その診断・予防・治療法が急速に進歩してきています。実際、一旦発症した脳梗塞でも超急性期の治療やリハビリテーションの進歩により完全社会復帰できる症例が着実に増えてきており、患者さんや家族から感謝される機会が増しています。また、再発予防対策も充実してきており、患者さんやご家族に安心感や希望を持っていただけることが、何よりの喜びとなります。
研修医時代の思い出を教えてください。
私たちが内科医として研修をスタートした頃には、CTスキャンが臨床で使われ出した頃で、脳出血の診断すら不確実で、手術適応のある外側型脳出血を血管撮影で診断していた時代です。市中病院ではまだCTスキャンのある病院が少なく、救急車でCTスキャンのある病院まで患者さんと同乗して行く必要がありました。脳梗塞は早期にCTスキャンを撮ることで出血を否定してからでないと確実な診断はできず、治療は抗浮腫療法や合併症の治療が中心でした。しかしながら、神経学的所見を丁寧にとり、病巣や重症度を評価し、リハスタッフらとのチーム医療において中心的役割を果たせたことは大変やりがいのある経験でした。その後のMRI、MRA、脳血流SPECTや超音波法などの画像診断の進歩により、病態診断に応じた治療、超急性期の血栓溶解療法の導入や血管内治療の進歩には目を見張るものがあります。
医師をめざす人へメッセージをお願いします。
「ヒトはヒトのヒトたるを決定づけている臓器とも言える脳をどこまで解明できるのか?」は脳科学の醍醐味であり、人類の究極の課題といっても過言ではありません。一方、「ヒトはヒト自身の脳を病や傷害からどれだけ守り、救うことができるのか」は医療の究極の課題の一つであり続け、脳神経内科はその中心的役割を果たす領域であり、そのような領域に身を置くことは、極めてやりがいのある医療人としての生涯を過ごすことができます。脳血管障害、認知症、てんかん、頭痛、パーキンソン病およびその類縁疾患、神経免疫疾患、各種の難病など、極めて広い領域をカバーする大きな診療科であり、脳神経内科医の需要は極めて大きいです。メイヨークリニックやマサチューセッツ総合病院など名だたる医療機関では脳神経内科は最大の診療科となっており、今後の益々の発展が期待できる診療科です。また、基礎・臨床研究の進展により、診断、予防、治療において様変わりしつつある領域であり、チャレンジ精神旺盛な若い医師にそのダイナミズムをともに感じ、担って頂ければと期待しております。

前・北海道大学大学院 医学研究科 神経内科学分野 教授
佐々木 秀直 Hidenao Sasaki(ささき・ひでなお)

脳神経内科を専門として選んだ理由を教えてください。
診断と治療の難しい疾患の多い神経内科は、やり甲斐のある分野なので選択しました。
脳神経内科医としてやりがいや喜びを感じるのはどんな時でしょうか?
医療の進歩で、今までは治せない病気の治療が可能となってきたことです。
研修医時代の思い出を教えてください。
難しい脳神経内科専門医試験に合格したときは、医師国家試験に合格したときよりもうれしかったです。
医師をめざす人へメッセージをお願いします。
神経疾患は早期診断と適切な医療が治療や予防に大切です。神経疾患では病気の原因やメカニズムの解明が進んで、新しい治療法が開発されつつあります。人口の高齢化に伴い、神経疾患は確実に増加します。脳神経内科医の役割は益々増えてゆきます。
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