2016.3.24
プリオン病は、ヒトのクロイツフェルト・ヤコブ病(Creutzfeldt-Jakob病(以下CJD))を始めとして、多くの動物にも見られる人獣共通感染症です。CJDは、発症すると急速進行性の認知症を呈し、数ヶ月〜1年くらいで100%死に至る致死性難病で遺伝性の病型もあります。その原因は正常なプリオン蛋白が感染性を有する異常プリオン蛋白すなわちプリオンに変換して神経細胞を障害するとされています。このプリオン蛋白の異常化、感染性、特に経口感染などのメカニズムはまだ全く解明されていません。一方、最近の研究では、Aβ蛋白、タウ蛋白、αシヌクレインなどアルツハイマー病やパーキンソン病の原因蛋白も皆プリオンとしての特徴を有し、動物に感染しその脳内で自己増殖することが確認されています。この事実は、アルツハイマー病などの神経変性疾患が何時の日か感染力を持つ可能性を示しているとも言えます。
このように世界で最も悲惨な遺伝性・致死性・人獣共通感染症である “プリオン病の克服をめざして (Overcoming Prion Diseases)” をテーマに、世界で唯一、最大の本疾患の国際会議であるPRION 2016 TOKYOを、2016年5月10日〜13日の4日間、学術総合センター(東京)にて開催いたします。
それに先立ち、3月9日(水)に、マスコミ関係者を対象としたプレスセミナーを実施し、20人以上の記者・マスコミ関係者が集まりました。
プレスセミナーでは、PRION 2016 TOKYO 会長で国立精神・神経医療研究センター病院長の水澤英洋先生より、プリオン病の基礎知識から、歴史、現在の研究成果、その研究成果を他の疾患研究へ応用する可能性、学会の見どころなどについて説明がありました。
学会の詳細などについては、PRION 2016 TOKYOのホームページをご覧ください。