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知覚情報の意思決定機能の低下がパーキンソン病の運動障害を引き起こす一因となっている

2016.6.17

米国カリフォルニア大学ロサンゼルス校の研究によると、パーキンソン病の特徴的な症状の1つである運動障害が起きるのは、知覚的な意思決定機能の障害が関係していることを指摘し、2016年6月16日付けの『Current Biology』に発表されました。

例えば健康な人が道を渡るとき、自動車や自転車などの位置と道幅、そして自分が過去に道を渡ったときの経験を一瞬のうちに思い起こして、「今なら渡れる」とか「この状況だと危険で渡れない」という意思決定をしますが、パーキンソン病患者さんの場合、病期の初期段階でも、知覚情報と過去の経験を結びつける脳神経回路の働きに障害があり、それが原因の1つとなって運動障害を引き起こしているのではないかということです。

Alessandra Perugini, Jochen Ditterich, Michele A. Basso. Patients with Parkinson’s Disease Show Impaired Use of Priors in Conditions of Sensory Uncertainty. Current Biology, June 2016 DOI