2020.10.28
頭痛とは?
まったく頭痛を経験したことがない人は少ないと思います。風邪をひいて熱がでた時の頭痛、お酒を飲みすぎた翌朝の二日酔いの頭痛など、なんらかの頭痛を経験したことがある方がほとんどでしょう。頭痛(英語:headache、cephalalgia)とは頭部の一部あるいは全体の痛みの総称で、後頭部と首(後頸部)の境界、眼の奥の痛みも頭痛として扱います。
頭皮のケガ(外傷)や感染(化膿、おでき)などによって生じる頭の一部の表面の痛みは通常は頭痛とはいいません。頭痛は、熱や腹痛と同様に症状の名称ですが、慢性的に頭痛発作を繰り返す「頭痛疾患」があり、片頭痛や緊張型頭痛が代表的な疾患です。
頭痛が起こったら…
急性に起こった頭痛で、これまでに経験がないひどい頭痛、突発して短時間でピークに達するような頭痛、熱がある、手足の麻痺やしびれを伴うような場合には、至急、受診して正確な診断を受けるほうがよいでしょう。くも膜下出血のような重篤な疾患である可能性があります。
以前から同じような頭痛を繰り返している場合は、慢性頭痛で生命の危険はないことが大部分です。前述のように、片頭痛や緊張型頭痛が代表的です。特に片頭痛に対しては特異的な治療法がありますので、一度、脳神経内科を受診されるとよいでしょう。慢性頭痛でも、頭痛が経過と伴に悪化してくるような場合には、脳腫瘍や慢性硬膜下血腫などの可能性もありますので、やはり一度脳神経内科を受診されるのがよいでしょう。この場合は、通常は脳神経外科との連携診療が行われます。
頭痛疾患を正確に診断できる医師はまだ少ないのが現状ですが、日本頭痛学会が認定する頭痛専門医が年々増えておりますので、状況は改善されています。頭痛でお悩みで、現在の診察や治療に満足できない場合には、頭痛を専門的に取り扱っている脳神経内科を受診してみてください。
慢性頭痛の中には難治性のものもありますので、必ずしもすべての頭痛に対して完全に痛みを消してしまう治療法があるわけではありません。また、頭痛が難治性であるのは市販鎮痛薬の使用過多が原因である場合もあります。我々脳神経内科では、現在利用可能な治療薬、治療法を駆使して、頭痛による日常生活・仕事・家事・学業などへの悪影響を最小限にすることで、生活の質の向上を担当医師と患者さん御自身との共同作業で目指す形で診療を行っています。