2015.11.26
2015年11月25日、厚生労働省は、神経や筋肉の病気によって、歩行機能が低下した患者さんのリハビリテーション用に開発された、患者さんの体に装着して下肢の動きをサポートするロボットスーツ「HAL医療用下肢タイプ(HAL-ML05)」の国内販売を承認しました。
対象となるのは緩徐進行性の神経・筋疾患により歩行機能が低下した患者さんで、具体的には、脊髄性筋萎縮症(SMA)、球脊髄性筋萎縮症(SBMA)、筋萎縮性側索硬化症(ALS)、シャルコー・マリー・トゥース病(CMT)、遠位型ミオパチー、封入体筋炎(IBM)、先天性ミオパチー、筋ジストロフィーの8つの疾患のいずれかと診断され、歩行の介助又は歩行補助具を要し、体重40~100 kg以内、身長150~190 cm程度または大腿長、下腿長、腰幅など、ロボットを装着するための身体サイズが合い、ロボットスーツの装着が可能な患者さん。
国立病院機構新潟病院などで2013年3月から2014年8月まで実施された臨床試験(治験)では、24人の患者で13週間以内に9回、HALを使って歩行運動をすると、外したときの2分間の 歩行距離が平均で約17%延び、HALを使わなかった場合は約7%で、約10%の改善効果があることが認められ、安全性も確認できたことが、国内販売の承認につながりました。