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認知症発症2~3年前に記憶障害の自覚が低下する傾向あり

2015.11.12

米国神経学会が発行する学会誌『Neurology』オンライン版2015年8月26日号によると、認知症を発症する2~3年前から、それまで自覚してい た記憶障害への認識が失われ、記憶力が低下したことを自分自身で自覚できなくなる傾向があることが明らかになりました。これは平均年齢76歳、2092人の高齢者 を10年以上追跡調査した結果に基づくもので、調査期間中に認知症を発症した239人と、死亡した385人の認知機能や脳の状態を観察しました。その結 果、認知症を発症した人は、発症する前の平均2.6年間で記憶力の低下に関する自覚が低下したことが明らかになりました。この結果について、論文の筆頭著 者である米国イリノイ州シカゴにあるラッシュ大学利用センターのロバート・S・ウィルソン博士は、個人差はあるものの、認知症を発症する前には、ほぼ全員 が自分自身が記憶障害を起こしていることに対する自覚が薄れていく傾向がみられ、さらに調査期間中に死亡した385人の脳を調べた結果、タウタンパク質の 蓄積、脳梗塞・脳損傷、タンパク質TDP-43の変質、の3つの脳内の変化が多数発見されたことから、これらの脳内の変化が認知症の発症や記憶障害に関係 していることが明らかになったと指摘しています。

Awareness of Memory Loss May Decline 2-3 Years Before Dementia Onset
https://www.aan.com/PressRoom/Home/PressRelease/1405