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糖尿病治療における低血糖脳症の動物モデル作成と治療薬を発見

2015.7.17

新潟大学の研究グループは,糖尿病の中でインスリン等の血糖降下薬のリスクである低血糖脳症に対し、治療法を解明する上での新たな動物モデルを作成し,そのモデルを用いアルデヒドを治療標的とし,それらを抑制する治療薬を発見しました。
 
糖尿病治療の血糖降下薬による低血糖脳症の増加が問題となっており、その影響で重度の脳障害や認知症の原因になりますが、これに対する治療薬がなく、治療薬開発を可能とする良い動物モデルがないのが現状でした。
 
特に、従来の動物モデルは、低血糖脳症により呼吸が停止するため、人工呼吸器を使用していましたが、研究を行うのは非常に困難でした。
 
そこで新潟大学脳研究所神経内科の下畑亨良准教授らを中心とする研究グループ(池田哲彦先生)が、脳波をモニターしながら脳の障害をチェックする動物モデルを確立しました。
 
さらにこのモデルを用いて、脳内のアルデヒドは低血糖脳症の治療標的であること、アルデヒドの分解を促進する薬剤は、低血糖脳症の治療薬として有望であることを解明し、平成27年6月18日の科学雑誌『PLoS One』に掲載されました。