2015.7.10
京都大学医学研究科の高橋良輔教授らの研究グループは、メダカを遺伝子操作してパーキンソン病に似た症状を再現することに成功しました。大阪大学、順天堂大学との共同研究で、この成果は2015年4月2日付の米科学誌『PLOS Genetics』(電子版)に掲載されました。
研究チームは、パーキンソン病患者の約1割に変異が見られる遺伝子GBAに注目。その働きを抑えたところ、生後3カ月の若いメダカでも脳の神経細胞にαシヌクレインなどのたんぱく質が大量にたまり、まっすぐ泳げなくなるなどの症状が現れることを突き止めました。
パーキンソン病の有効な治療法が見つからないなか、iPS細胞を使った研究も進められていますが、まだ症状を正確に再現できる段階には至っていないのが現状です。
研究チームの上村紀仁・京大特定助教(神経内科)は今回の研究成果について「病気が進行する仕組みの研究や薬の開発に役立つ可能性がある」と話しており、パーキンソン病の抜本的な治療薬の誕生につながるのではと期待されています。
図:GBA欠失メダカは腰が曲がった姿勢を示す