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患者さんに突然死のリスクを伝えるか,伝えないか? ―てんかんに学ぶ―

2016.3.17

新潟大学 脳研究所 臨床神経科学部門 神経内科学 准教授の下畑享良先生のブログから、記事をご紹介させていただきました。

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患者さんに突然死のリスクを伝えるか,伝えないか? ―てんかんに学ぶ―

新潟大学では,多系統萎縮症(MSA)における突然死の問題に2001年より取り組み,その機序や予防について多くのことを明らかにしてきた.しかし最終的にたどり着いたのは臨床倫理的な問題であり,そのなかでも「いつ,どのように患者さんに突然死のリスクを伝えるか?」はとくに難しい問題である.患者さんの知る権利は尊重すべきものであるが,突然死に対する不安は,患者さんに大きなマイナスの影響を与えることは容易に想像がつく.この問題を議論するために,「てんかん患者に起きる予期せぬ突然死(Sudden unexpected death in eplepsy;SUDEP)」に対する病状説明の現状を理解することは役に立つ可能性がある.

まずSUDEPは,てんかん患者さんに起きた,死因を特定できない突然死を指す.発生率は1,000人・年当たり0.9~2.3件で,一般人口における突 然死の20倍以上である.危険因子としては,全般性強直間代発作の発生頻度が高いことが重要で,そのほか,男性,若い発症年齢,長い罹病期間,抗てんかん 薬の多剤療法が知られている.てんかんにおける突然死のリスクを,患者さんや家族は知りたがっているのか,また医師はどのように伝えるべきかという問題を 検討した論文を3つみつけるけることができたのでご紹介したい.

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