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人間関係が悪いと認知症リスクが30%高まる

2017.5.6

FR126

英国イースト・アングリア大学などの研究で、家族や友人などとの良好な関係が認知症を予防することが明らかになり、2017年5月の『Journal of Alzheimer's Disease』で発表されました。

この研究は2002年~2003年の間に、認知症を発症していない5,475人の男性と4,580人の女性、合計10,055人を対象に、2年ごとに2014年まで、健康状態やライフスタイルの状況についてフォローアップ調査を行った結果によるもの。その結果、10年後の2014年には、被験者10,055人のうち、3.4%の人が認知症を発症していました。

調査結果を分析すると、配偶者やパートナー、子供、その他の直系家族との信頼できる、親しみやすく理解しやすい関係を持つことは、認知症の発症を17%も低下させていました。

さらに、配偶者やパートナー、子供、その他の直系家族との人間関係が悪い状態にあると、認知症の発症リスクが31%も高まってしまうことも明らかになりました。

この結果について研究者らは、良好でない家族関係や、社会的な孤立、孤独などが、高齢者にとって大きなストレスとなり、それが認知症のリスクを高めてしまうことが明らかになり、高齢者の認知症の予防には、良好な家族関係や社会参加を維持するための社会的なサポートが必要であることを指摘しました。

Mizanur Khondoker, Snorri Bjorn Rafnsson, Stephen Morris, Martin Orrell, Andrew Steptoe. Positive and Negative Experiences of Social Support and Risk of Dementia in Later Life: An Investigation Using the English Longitudinal Study of Ageing. Journal of Alzheimer's Disease, 2017; 58 (1): 99 DOI: 10.3233/JAD-161160