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小児の難治性てんかんに対する脳梁離断術の効果の神経メカニズムを解明

2020.1.25

小児の難治性てんかんに対する脳梁離断術の効果の神経メカニズムを解明

~灰白質ネットワークの改善を脳画像で証明~

 

国立研究開発法人 国立精神・神経医療研究センター(NCNP、東京都小平市 理事長:水澤英洋)精神保健研究所(所長:金吉晴)知的・発達障害研究部の上田理誉 流動研究員、稲垣真澄部長、およびNCNP脳病態統合イメージングセンター(IBIC)の松田博史 センター長、病院脳神経外科の岩崎真樹部長、放射線診療部の佐藤典子部長、小児神経科の佐々木征行部長らのNCNP内研究グループは、小児の難治性てんかんに対する脳梁離断術後の画像解析を行い、①病的な脳ネットワーク経路が減少し正常な脳経路が回復していること、②脳梁の病的なてんかん伝播経路が切断されること、など術後の脳構造ネットワークについての新しい知見を明らかにしました。

小児の難治性てんかんは薬物療法でのコントロールが難しく、一部の患者さんに対しては、てんかん焦点を摘出するなどの脳外科治療が行われています。脳外科治療の一つである、脳梁離断術の有効性については様々な研究成果がありますが、詳しいメカニズムについてはわかっていませんでした。脳画像解析により脳梁離断術が灰白質ネットワークを改善することを確認したことで、外科治療がもたらす神経基盤の解明への前進に貢献したものと指摘でき、術前における治療効果の予測に応用することが今後、期待されます。

この研究成果は、日本時間2019年12月6日(木)PLOS ONEオンライン版 DOI:10.1371/journal.pone.0222876 に掲載されました。

詳細は、こちらのサイトでご確認ください。

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